とても神経を使う工程のひとつに、「木目合わせ」があります。
その目的は、、、「その人、その家族のための木目」にすること。
その「家族」と「空間」と「生活」が、家具によって線でつながれるような、そんな木目になれたらいいな、家具になってくれたらいいなと考えながら組み合わせていきます。
そしてもちろん、木が動いたときにどのように動くかも、できるだけ考えて組み合わせていきます。
東京の家具屋さんで販売の仕事をしていたときは、「クレーム防止のため」に「こどもの顔が選べないように、木目も選ぶことが出来ません。ひとつひとつの出会いです。」と、よく言ってました。
それから月日がたち、実際に作り手の立ち場となって、木と向き合うようになってからは「クレームにならないようにしよう」などと、考えることはありません。
それぞれが素晴らしい特徴があり、向き不向きがあり、その場所を選んで組み合わせていきます。
特徴が強すぎると「家具が主役」になってしまい、空間を喰ってしまうことがあります。
僕はそれがあまり好みではありません。
なので、向き不向きがあると思う。と考えています。
「木目合わせの目的」が「クレーム防止のため」。
そんな目的のために、木と対峙して、木目を眺めることはないということ。
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