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削り出しの背もたれ

暖かい日差しと冷たい風が心地よい日が続いています。


昨日の作業工程で上下を接着しておいた、アームチェアの背もたれ(笠木)の形を、慎重に整えていきます。



どことどこが接着されているのかわからないような状態ですが、ちゃんと狙ったところがしっかり接着されるようになっています。



切り出し、南京鉋、豆反り鉋、際鉋、そしていつもの平鉋。

これらが笠木を削り出すために必要な刃物で、もちろんすべてトッキントッキンに砥いだ状態で臨みます。


南京鉋と呼ばれるものは、その作り手によって持ち手の形や長さを変えていて、見ているだけで楽しい道具です。

僕は4本持っていますが、今回は持ち手を短く切ったものと、刃物が小さいものを使います。


刃物の扱いは、師匠のところで覚える前に、家具の販売をしているときに展示スペースでずっと流れていた職人さんの映像を見ながら、刃物の向きや指の使い方などをインプットして、仕事の帰りに東急ハンズで刃物を買って、家で真似をしながら木を削って覚えました。


・・・そんな東京にいたときのことをふと思い出しました。



荒削りはどんどん削っていき、墨線付近は慎重に削っていきます。


一度はめ込んで、妻が座ってみると・・・目を見開いて僕にオッケーサインをしてくれました笑

背あたり、肘の高さ、位置は素晴らしく、確かに目を見開くほどでした。


でも、「削り出し」というのは、ここからが勝負で、「座り心地」の次は「美しさ」の追求になります。

「十分」と思った「もう少し上」を求めて、またコツコツ削っていきます。


最後に明日に向けて刃物を砥いで、掃除をして。


また明日も集中して頑張ります。


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