板と板をボンドでくっつけることを「板を接ぐ(はぐ)」といいます。
シンプルに板をくっつける作業で、今なら動画などでもよく見つけることが出来るような作業でもあります。
でも実は、そこには様々な工夫が必要で、まず「接ぎ面」といわれる特別な面を造る必要となります。
これをきれいに、そして毎回安定して作ることがとても難しくて。。。
師匠もかなり気を使って作っていたのを今でも覚えていて、最初の頃はこの「接ぎ面」には一切触らせてもらえませんでした。
そして地味に大切なのが「ボンドの量」。
多すぎても、少なすぎてもだめで、まさしく「適量」を、しかも「均一」に塗布することが大切になってきます。
クランプで締め付けた際に、こうして同じ量が表面にボンドが出てきたときが、適量で均一に塗布できている状態。
「職人技」なんて言葉を聞くと、鉋を使って、ノミを使って、仕口を使って、、、というイメージがあるけれど、それ以外のもっと地味な作業にもたくさん技があります。
機械を使うことも同じことで、誰でも使えるわけではなく、コツもあれば、ルールもあります。
そして機械といっても、それぞれ個体差があり、その「癖」を見つけて、自分のものにしなければなりません。
そして、その機械の「整備」「調整」も自分でやる必要があります。
機械屋さんの話では、大きな工房では機械の整備は機械屋さんにお任せだから、職人さんは自分で整備、調整はできないとのこと。。。
それはそれで、その規模になるまで企業が努力された結果なので素晴らしいと思うけど、僕の師匠は「自分の機械なんだから、自分で学んで癖をつかんで仕組み、構造を理解する努力をしなさい」という人だったから、僕も自然とその考えが染みついています。
全部含めて「職人技」。
そのすべてを心から楽しんでおります。
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