今日は仙台に住む母の誕生日です。
母がこの日に誕生日のおかげで、姉の家にみんなが集まっており、無事がすぐに確認できたし、当時小学生だった甥も、まだオムツが必要だった姪も一緒にいることができました。
無意識に"お父さんはきっと大丈夫だ!お母さんに電話しなくちゃ。"と、繋がるまで何度も何度も電話をかけてしまいました。
奇跡的に繋がった電話。
停電で渋滞することを予測した母が、自転車で自宅に戻っている途中でした。
いつも強気な母の声がどんどん震えていったこと、今でもはっきり覚えています。
あの日から8年が経ちました。
僕は結婚して、息子と娘を授かり、甥は中学を卒業していよいよ高校生、姪も小学校高学年になります。
あの震災を生き延びて、18年間生活を共にし、たくさんの思い出をくれた愛猫は一昨年、天国に旅立ちました。
色々なことがあったけれど、そして今もこれからも色々あるだろうけれど、実家に帰って、美味しいご飯をみんなで囲んで、お酒を飲んで、日々のことや孫のことで笑ったり、些細なことで言い合いをしたりして、"あぁ、元気でいれくれて嬉しいなぁ。"とこれからも思っていたい。心からそう願います。
僕がフィムル写真を使っている理由のひとつは、震災です。
形に残っていたら、なんとかなる。そんな映像を見た時に、デジタルからフィルムに変えたいなと思い、父にあのカメラを譲ってもらいました。そして僕も息子にそんなことを言われる日が来たら、譲れるカメラを持っていたいと思い、またフィルムカメラを買いました。
家族写真をインスタグラムに上げていこうと妻と決めたのも、仙台の両親に、僕たちが元気に過ごしているということを、たくさん見てもらいたいから。
今あるこの瞬間も、次の瞬間にはなくなるかもしれません。
信じ難いことですが、本当になくなるかもしれません。
だから、たくさんの言葉で記憶に、たくさん写真で記録を残しておきたい。
言葉に出しすぎて"安く"なってもいい。"重み"がなくなってもいい。伝えておけばよかったと後悔するより、ずっといい。
"あなたたちが与えてくれたこの命で、あなたたちが僕たちにしてくれたように、僕は自分の家族のために目一杯愛情を注いでいます。あなたたちのおかげで僕は幸せでいっぱいです! 産んでくれてありがとう!"
そして、被災された方々に心からの祈りを。